La Finestra nuova Vol.10
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11の点、エリートは誕生当初から大型ホイールのランナーを採用して滑りを向上させた、操作性も優れたレールです。滑りが良すぎて風が吹いただけでカーテンが開いてしまい、それを留めるために翌年「マグネットランナー」を発売したという逸話もあります(笑)。――審美性、施工性、操作性すべてがそろったレールということですね。そして今までにさまざまな部品が開発されてきたと。橋本 ニーズに応じてオプション品を開発しています。2011年にはレール上部をふさいで空気の流出入を遮断し省エネを図る「カバートップ」という商品を発売したのですが、省エネに加え光漏れを抑える効果や手入れのしやすさがお客さまに受け入れられています。川村 50年前から変わらない完成された形があるからこそ、新たな色や機能、部品などのチャレンジができるのです。つねに付加価値をつくってエリートを進化させていくことが開発チームの使命だと思っています。橋本 エリートのシンプルな形状だからできたことに装飾レールとの組み合わせがあります。現在のインテリアデザインの基礎がつくられた1980年代、まだ憧れの存在だった装飾レールとエリートをセットで提案したことでエリートの地盤がさらに固まったのだと思います。また、装飾レールの主力商品「レガート」はエリートの設計をもとにしたものです。機能性レール「ネクスティ」もエリートの次世代版で、新しい商品の開発もエリートがあってこそですね。――最後に、今年発売される新色について教えてください。橋本 アッシュグレイン、マイルドグレイン、ビターグレインの3色です。流行のグレイッシュなインテリアに合う少し褪せたような色みが特長で、ペールトーンからダークトーンまでバランス良く使えます。また仕上げにもこだわっており、マットな質感や、木目を再現した凹凸加工を施すことで天然木の質感を追求しています。この凹凸の加減も苦労したところで、深すぎると製造段階でフィルムが割れてしまうし、逆に浅すぎると木らしくない。関係者たちの間で試行錯誤を重ねました。川村 この3色に落ち着くまでには何色もの候補がありましたが、単なるトレンドではダメで、カーテンレールという製品の性質上長く使い続けられる色でなければなりません。新色も長く使っていただけるものになると思います。今どきでいて長く使える色と質感を追求木目多色展開スタートブラケットの追加・改善で施工性がさらにUPエリートの装飾版レールレガート誕生エリートの次世代版ネクスティ誕生業界初カバートップ発売メタルキャップ追加カバートップエリート50周年!新色3色発売LTエキストラシングルブラケット追加インテリアカラーコーディネートの充実インテリアの質感を重視する傾向商品開発室一課橋本いつかさん商品開発室一課長川村哲也さん窓装飾プランナー資格誕生1995199120032014200220112016「エリート」の完成された形をもとに、いかに付加価値をつけていくかが開発の使命。陳腐化させない努力が必要ですね。ハウスメーカーや建材メーカーのカタログや住宅展示場の調査、現場のヒアリングなど市場調査はつねに欠かせません。

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