La Finestra nuova Vol.12
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11Motoki Araki掬きく月げつ亭てい風土に即した工夫にあふれる風景を楽しむための特別な窓つつじヶ丘の家建築家    荒木源希さんが好きな窓長野県北佐久郡軽井沢町大字長倉217軽井沢タリアセン内 ☎0267-46-6161香川県高松市栗林町1-20-16栗林公園内 ☎087-833-7411東京都立大学工学研究科修了後、建築設計事務所勤務を経て2008年に佐々木高之氏、佐々木珠穂氏と共同でアラキ+ササキアーキテクツ一級建築士事務所を設立。現在同社代表取締役。http://arakisasaki.com/ペイネ美術館アントニン・レーモンドアトリエ「夏の家」軽井沢タリアセン内の「ペイネ美術館」は、建築家アントニン・レーモンド設計の別荘「夏の家」を移築したもの。「1階は柱芯をずらして柱を外に出すことで大きな開口部をつくり、風景に連続性を持たせています。小庇を設けたり雨戸が収納式になっていたり、すだれを設置できる工夫は日本の風土を配慮した設え。窓を丁寧に設計していると感じます」(荒木さん)公園の風景を切り取るようなナラ材の出窓が特徴のリノベーション住宅。出窓のボリュームを内外へ張り出し、外部の環境をより感じられる空間になっている。※美術館として使用されているため、通常雨戸は閉じられています。高松市にある特別名勝、栗林(りつりん)公園の中で最も重要な建物が数奇屋風書院造りの茶屋「掬月亭」です。大名庭園の最盛期とされる近世初期の庭園建築で、大きく取られた窓から美しい風景が楽しめます。荒木さんは「窓は何のためにあるのか、窓で何ができるのかを考える機会をくれる建築」とコメント。開口には数十枚の雨戸が張り巡らされ、毎日開け閉めを行うそう。

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