La Finestra nuova Vol.13
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8La Finestra nuova Vol.13テラステラス収納収納収納収納子ども室子ども室寝室寝室2F2F浴室浴室玄関玄関玄関ダイニングダイニングダイニングキッチンキッチンリビングリビング1F1F外壁ライン外壁ラインNN 1つの大きな木箱のような外観に対して、内部は円筒状のフロアが3つ連なる一室空間。吹き抜けの2階層のため、計6つのフロアが緩やかにつながることになります。場所によって多様な表情を見せるユニークな構造です。地表と室内を緩やかにつなぐことで外部と建築の間に生まれた空間は、実際の床面積より広く感じさせる効果をもたらしています。 そしてこの空間にさらなる表情を与えているのが、天井や2階の壁・床などに使われている針葉樹合板。豊かな木目や節が温かみとリズムをもたらし、優しい表情を添えています。特に寝室や子ども室がある2階は天井・壁・床すべてが針葉樹合板で仕上げられ、木質感にあふれる空間になっています。 アカマツやカラマツなどを加工してつくる針葉樹合板は、寸法安定性や強度に優れ軽量という特性を持ちます。従来は下地材として使われてきましたが、最近は独特の節の表情が好まれて壁などの仕上げ材としての使用が増加。また低コストのため、本物件でも主な工事を鉄骨と大工職に集中でき、全体のコストダウンにもつながっています。 じつはこの住宅、構造自体は木造ではなく鉄骨造(一部RC造)。それでも外壁をはじめ内部にもふんだんに木を使用したのは、生きている素材である木が持つぬくもりや経年変化による味わいを住まいに付加するため。「工業製品が多い現代の建材の中で、木材は自然素材ゆえに経年変化が感じられる魅力があります」と前田さん。地表との距離が近く外と緩やかにつながるこの住まいだからこそ、より木の自然な表情が引き立って見えます。針葉樹合板の豊かな木目が住まいに表情をプラス1 2階子ども室から中央の円筒状の空間を見た様子。円筒状の空間は2層構造で、1階の水回りと2階の収納の周囲を螺旋階段が通ります。  2 1階リビングから西側を見た様子。床に段差をつけ空間を区切っています。右側上部は2階寝室から出入りするテラス。室内とはFIX窓で仕切られています。DATA地表のいえ設計/前田圭介(UID)施工/中村建設敷地面積/232.12㎡延床面積/1階65.81㎡ 2階50.85㎡家族構成/夫婦+子ども1人竣工年/2011年所在地/岡山県玉野市用途地域/第一種低層住居専用地域構造/鉄骨造、一部RC造21

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