La Finestra Vol.24
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 日本の夏、年々暑くなっている気がしませんか。最近は携帯用のミニ扇風機などもすっかり市民権を得た感があります。しかしここでぜひ見直してもらいたいのが、涼を取るための昔ながらの素敵な道具。そう、うちわです。 ここで紹介するのは特に清々しさが際立つ「水うちわ」。岐阜県美濃地方に伝わる極薄の手漉き雁がん皮び紙しを竹の骨組みに貼った伝統工芸品です。独特の透明感は素材である雁皮と、何層も重ねて塗る天然ニスの仕上げによるもの。昭和後期に一度途絶えてしまった伝統が近年復活しました。 名前の由来は水のように透明感のある見た目や、長良川の舟遊びで水面につけて扇ぎ涼を取ったことなど諸説あり。いずれにしても風流な話です。しかも天然素材で電気要らずと、環境に優しいのもよいところ。今年の夏は水うちわを片手に優雅に川べりで過ごしてみたいものです。 22復活した水うちわは、丸亀うちわの職人がつくる竹の骨組に雁皮紙を貼ったもの。手描きの柄も涼を誘います。「水うちわ 小判型」(左)水紋 (右) 金魚 各7,700円(税込。台座 別売)/家田紙工 https://www.kaminoshigoto.com/

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