La Finestra Vol.25
8/24

8寝室は、落ち着いた気分で入眠できるようにとのことからブルーとホワイトを基調にコーディネートしています。もうひとつ特徴的なのがカーテン。「シアー=白と考えがちですが、色のシアーを使うことで個性ある窓辺になります」と提案する石井さん。さらに目を引くイエローのドレープを掛けて、落ち着きながらもメリハリのある寝室に仕上げています。キッチンと対面する位置に広がるリビングダイニング。ダークなカラーは暗い印象にならないかと不安に感じるものですが、この空間では落ち着いたダークグリーンの壁面がサーモンピンク&ホワイトのカーテン、柄物のクッション、グリーンやアートなどをより一層引き立たせています。ダークブラウンの家具とも見事に調和。インテリア好きの奥様の好みとセンスを把握していたからこそ実現した空間です。日本のリノベーション業界をリードする設計事務所。マンションや戸建てのリノベーションをはじめ、新築案件や事業用建物の再生、不動産事業も行う。近年は街のブランディングや地域を含めた集合住宅のリノベーションなどでも注目を集めている。http://www.bluestudio.jp/ブルースタジオ色を使う際のポイントは 何よりコミュニケーション ゆったりとリラックスした生活が送りたいという思いから埼玉・和光で暮らしていたご夫妻でしたが、数年後、今度は街が恋しくなって東京・神楽坂へ。物件探しから頼ったのが、和光の住まいのリノベーションも依頼したブルースタジオでした。「和光の住宅でも青をメインに色を取り入れていました。トイレは黄色でしたね。その空間が気に入ってもらえたようで、今回はさらに多彩な色を取り入れる方向で進めました」 そう話すのはこの物件を担当したデザイナーの石橋昂生さん。ご夫妻の希望を伺いながら色みを決め、模型に落とし込んで色の分量や見え方を子細にチェックしたそう。中でも印象的なのが前ページのキッチンです。奥様ご希望の鮮やかなイエローと、同じく奥様が好きなチュニジアンタイル、そこにサーモンピンクの左官仕上げの壁を提案し、欧風リゾートのような陽気さがありながら洗練された雰囲気のスペースに仕上がっています。「色を使う際は設計者とよく相談して」と指南してくれたのは、ブルースタジオで個人邸リノベーションを統括する石井健さんです。「色は温かみ、涼しげといった空間の方向性をつくることができる重要な要素。ですが、色のトーンやバランス、そこに置く家具や小物などセンスが求められるのも確かです。なぜ色を使いたいか、どういう空間にしたいかを言葉やイメージを使って相談してみてください」。 色は自分が憧れる暮らしにより近づくためのひとつのアプローチ。この住まいはその好個の成功例と言えそうです。

元のページ  ../index.html#8

このブックを見る